アルツハイマー型認知症モデルマウスに再ミエリン化が起きた
老齢Tg2576マウス(26~27ヵ月齢)は、アルツハイマー型認知症のモデルマウスです。その脳では、老化による脱髄が起こっています。
老齢Tg2576マウスにヘスペリジン+ナリルチン+α-GPCを投与した場合とその他の投与条件を比較することにより、投与後の脱髄回復効果と、脳内のアミロイドβオリゴマー発現状態の関連性について調べることができます。
私たちはこの実験を行い、老齢Tg2576マウスには次のように異なる投与条件をつけました。
①水のみ
②ヘスペリジン+ナリルチン
③α-GPC
④ヘスペリジン+ナリルチン+α-GPC
その結果、ヘスペリジン+ナリルチン+α-GPCを投与したマウスでのみ、MBP(とくに21.5KDa)とsAPPα、αCTFの発現量が増加しました。また、可溶性オリゴマーが著しく減少しました。これは非アミロイド産生経路が優位になったことを示唆します。